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気仙沼のばあちゃん

気仙沼唐桑町を最初に訪れた時
有名な漁師にご縁があって会いに行った。

「この震災で何が出来るのか。」
とそんな事をただ考え日にちだけが過ぎて行く毎日。
何かをしければ・・・今必要なのは募金をすることか・・・
もともと、インドネシアの子どもたちにスクールバスを贈ろうと
はじまった団体「みんな地球の子どもじゃん」
東日本大震災があり、4月4日にバリ島で予定していたアートバス贈呈式を延期して
テレビから流れる映像に心が痛み、ただ静観する事しか出来ないでいた。

そうしているうちにあらためてインドネシアで自分が何をしてきたのかを考え
とにかく行かなければ何も始まらないと強引に行くことを決めた。
それでも、決めても、何が出来るのかをずっと考えた。

気仙沼のそこは私が知っている海とは全く違った。
カモメの声がサイレンのように聞こえた。
瓦礫の山をおそらく自宅があったであろう場所を片づけたり、何か探していたりする人。
老人と言っていい位のたった一人のダイバーの人が海を調査するため潜っていた。
そういった人たちの邪魔にならないように気をつけて漁師に話を聞いた。
邪魔にならないように・・・それだけに気をつけた。

壊滅した集落を後にするとき、自分の無力さをあらためて知る。
支援というのは簡単だが、この大自然がおこした圧倒的なダメージを前に
ちっぽけな人間が、私が一体何が出来るのか。
久しぶりに、もしかするとはじめて言葉も思考も停止した。

崩壊したコンビニの向かいで営業している青果店があった。
おばあちゃんが店頭のワゴンに弁当を積み上げて売っていた。
腹が減った。だけど買うべきかを悩んだ。これはここの人たちのための物のような気がした。
車を降りばあちゃんに近づいた。
「いらっしゃい」とばあちゃんから声をかけてきた。
まるで東京の普通のお弁当屋さんのおばあちゃんみたいに。
「かつ丼は300円だよ」
「そんなに安いの?」
「おなかいっぱいになるよ」
「本当だすごいボリュームだね」
ほんの少し、ばあちゃんと普通のお店みたいにやりとりをした後
目の前のコンビニが崩壊してて、どうしてここが普通に営業してるのかが気になって
ばあちゃんに色々と質問をした。
建物は道をはさんで向こうは津波が来て、こちら側は無事だったこと。
品物は、被害にあってからすぐに避難所などへ届けていて
それは息子さんが役所の関係でそういったことになり
おかげで役に立つことが出来て
だから、今こうしてここだけはお店が出来るんだということ。
ばあちゃんはしきりに息子がね、息子がね、というものだから
きっと自慢の息子さんに違いないと思った所で
「かつ丼もらっていい?」と言えた。
ばあちゃんからかつ丼を受け取り車の中で食べた。
さっきの話を思い出しながら・・・
ここで何が出来るんだと考えながら・・・

「ごちそう様、おいしかった。」
と、車を降りてもう一度ばあちゃんの顔を見た。
今度は私が色々とばあちゃんに話したくなって
東京から来たことや、気仙沼の海のことなんかを話した。
そうすると、ばあちゃんは今度自分の話をしだした。
ばあちゃんは田端に住んでいた。
武蔵野女学校に行っていた。
二十歳の頃、東京で大空襲に会い全てを失った。
身寄りのないばあちゃんは、気仙沼へお嫁に来た。
それから60年以上が過ぎて、ばあちゃんは今82歳。
自慢の息子と孫に囲まれて生活しているとき
東日本大震災が突然襲い掛かった・・・
そこまで一気に話すと
「なんでこんなめに会うんだろうね。」と言って
しわくちゃの顔を涙でいっぱいにした。
「ばあちゃんの人生でどうして2度もこんな辛い経験をしなくちゃいけないんだろう。」と言って
ばあちゃんは、声を出して泣き始めた。
「どうしてだか、ごめんねぇ、こんな話しをしちゃって・・・」
と言いながらばあちゃんはたくさん泣いた。
「ばあちゃんなんで泣くんだよ。」と私も泣きながら言った。
ふたりして結構な時間話しをして、泣いて
「必ずまた来るから元気でいてね。」と言ってばあちゃんのお店を後にした。

ばあちゃんの話を聞いてあげれたことを
ここに来た意味があると自分に言い訳した。
だけど、ばあちゃんのおかげでそのあとに会った避難所の人たちとたくさん話しが出来た。
何が出来るか・・・はわからないけど
何をするか・・・は、はっきりとわかった。






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□■NPO法人みんな地球の子どもじゃん■□
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